第1章 会社設立の流れ




難度 ★☆☆

会社の設立登記手続きは、それほど難しいものではありません。

会社の設立方法には発起設立と募集設立がありますが、中小企業は発起設立という設立方法で、かつ株式の譲渡制限を設けた会社が一般的です。今回は、株式譲渡制限会社の中でも最も簡便的な組織である、取締役会及び監査役を置かないケースで話を進めて行きます。

ただし、成長する会社を最初から作りたい場合は、取締役会・監査役を置き、組織運営を設立時からやることが一番の近道です。

まず、会社の設立にあたり社長が決めなければならないものは、以下の7つです。参考のため、設立ワークシート(PDF)をアップしておきます。このワークシートは、取締役会設置&監査役設置の会社にも対応できるようになっています。

会社設立の為に決めておくべき7つのポイント

1.会社の商号

会社の名称のことです。社名の前か後に「株式会社」を入れます。同一住所で同一社名は登記できませんので、たくさんのテナントが入るビルの場合はご注意ください。

例:株式会社 夢工業

2.会社の本店所在地

最初の1社目は2割以上の方が、ご自宅を会社の本店所在地とされています。他の方は主たる事務所を本店所在地とされています。

ビルの場合でも、登記上は建物名は入れられていないことの方が多いです。

例:東京都中野区野方5丁目28番1号

3.会社の目的

会社の事業内容のことです。会社の目的は登記時に補正(訂正)が多く発生する傾向があります。

例:不動産の売買、賃貸借管理及びこれらの仲介業 (不動産業で一般的な目的)
例:建築工事の請負及び施工 (建設業で一般的な目的)

4.会社の資本金と各々の出資分

最低資本金制度が廃止されましたので、1円から設立できます。出資者は一人でも複数でも構いません。

例:東京都中野区若宮1丁目1番1号 田中公太郎 300万円(1株5万円×60株)

5.資本金の振込口座

出資者は、発起人(設立時の出資者)が指定する個人口座に出資額を振り込みます。

例:三菱東京UFJ銀行 野方支店 普通 1234567 田中公太郎

6.役員と任期

設立時には、出資者と役員が重複することがほとんどです。役員は一人でも複数でも構いません。取締役が複数の場合は、代表取締役を決める必要があります。取締役が一人の場合は、自動的に代表取締役となります。

取締役の任期は10年以内ですが、一人取締役の会社では任期は3~10年、複数の取締役の会社では2~3年とする傾向があるようです。

例:東京都中野区若宮1丁目1番1号 取締役 田中公太郎 任期10年

7.決算日

12月末、3月末とされる会社が多いですが、繁忙期にあたらない時期を決算日とされる方も増えてきています。

例:3月31日

会社設立の為に用意するもの

1.資本金及び設立費用

資本金は法律上は1円からでOKですが、登記簿に記載されますので、多ければ多いほどいいです。

設立費用は、定款の収入印紙が4万円、公証役場の認証手数料が約5万2千円、設立時の登録免許税が最低15万円、その他細かい費用も掛かりますので、最低でも25万円程度は必要です。

ただし、あおば会計では定款の電子認証を受けることにより、202,000円で設立することも可能です。

2.出資者・代表者の印鑑証明書

出資者(発起人)としての立場で1通、取締役としての立場で1通必要ですので、同一人物なら2通必要です。この印鑑証明書の記載を一字一句間違えないように書類を作成しますので、必ず事前に取得してください。

取締役会を置かない場合、代表者以外の取締役でも印鑑証明が必要ですので、ご注意ください。

3.会社の実印

社長個人の実印を会社の実印とするケースもありますが、多くの方が会社実印を作り、それで登記されます。意外に思われるかも知れませんが、柘植(つげ)の安価な実印が多いです。

以上、決めること7つ、用意するもの3つでいいのですから、簡単にできますよね。

 

登記でミスをしやすいポイント

登記でミスが出やすいところも分かっていて、補正(修正)があるのは、次の3つに集約されます。

①会社目的が適格でない

対策:相談表を使い、登記官の確認をもらえば完璧!

②住所が正確でない

対策:とにかく印鑑証明書に忠実に!東京23区なら「●丁目●番●号」の表示。

③印鑑が違う

対策:会社実印・個人実印・個人認印の3種類の違いを明確に!

第2章 会社目的の攻略術